2021/10/20
元保育士が小児歯科のことを聞いてみた
こんにちは。オーラルケアクリニック藤沢、スタッフの片岡です。
以前、『お子様にもおすすめしたい歯科医院』として当院をご紹介しましたが、今回は、果たしてお子様は歯科医院にいつから通い始めたら良いのかなど、ご家庭で活用できる歯科ならではの情報を、元保育士の私が院長や衛生士の話を元にご紹介していきたいと思います。
いつから通えばいいの?
「子どもが歯医者に行くのは虫歯が見つかった時」と思う方は少なくないと思います。ですが、当院はお子様こそ虫歯ができてしまう前の受診をおすすめ致します。この後詳しくご紹介しますが、乳歯ほど虫歯の進行は進みやすいのです。具体的な年齢としては、1歳半頃には受診、定期健診に通って頂くことを理想とします。これは個人差がありますが、前歯が上下生え奥歯も生え始める時期だからです。小さくて可愛い赤ちゃんの乳歯も、食事や言葉を発する為の大きな役割を持った立派な歯です。これから健康な歯や歯肉を育てていくためにも、生えたばかりの乳歯からケアをしていくことがとても大切です。しかし、食べて寝ることがお仕事の赤ちゃんにご家庭でこまめなブラッシングを行うことも、口ゆすぎをすることも難しいですよね。そこで、歯科医院での定期的な予防知識の確認とケアを行っていくことで、虫歯を未然に防いでいきましょう。
実際に、保育園での歯科検診で、0歳児クラスの子(下の前歯2本のみ)でも、歯石が着いてしまっているいるという診断を受けていた子もいました。幼い時期はご家庭で過ごしているお子様も多く、歯科検診を受ける機会は少ないかと思います。「気になるけどまだ早いかな?」と迷っている方は、ぜひ一度受診してみて下さい。
虫歯菌感染の窓
生まれたばかりの赤ちゃんは、虫歯の原因となる虫歯菌を持っていません。では、いつどのようにして虫歯菌を持つようになるのでしょうか。実は、生活の中でコップやスプーンの共有、キスなどのスキンシップ、また会話での飛沫でも、虫歯菌が赤ちゃんのお口の中に移るそうです。ですから、ご両親の唾液から感染する可能性が1番高いのです。そして、乳歯の奥歯が生えてきた頃から生え揃う時期の、1歳半〜3歳頃は虫歯菌が定着しやすい時期で、その時期は「感染の窓」と呼ばれています。乳歯は大人の永久歯に比べて、酸に弱く虫歯の進行も早いので、大人からお子様への感染リスクを下げ、なるべく移さないように気を付けたいところです。しかし、親子で楽しむ大切な食事やスキンシップの時間に、虫歯菌のことばかり気になってしまっては、リラックスできませんよね。そこで、ご両親のお口のケアや食生活の改善を行うことが重要になります。ご両親の虫歯や歯周病治療を行なっておくことで細菌数を減らし、定期的なクリーニングを受けましょう。ご家族全員でお口のケアや健康に意識を向けることで、赤ちゃんの歯を丈夫で健康に育てることができるのです。
仕上げ磨きのコツ
虫歯は歯科医院に通っていれば防げるわけではなく、ご家庭で毎日しっかり磨くことが必要です。ですが仕上げ磨きの癖によっては、歯肉炎を引き起こしてしまう場合もありますので、正しい磨き方のコツを知り習慣にしていくことが大切です。
お子様の歯を守りたい一心で、熱心に磨きすぎてしまい炎症を引き起こしているケースもあるそうです。仕上げ磨きを行う際に、心がけて頂きたいポイントとしては、①やさしい力で ②歯をよく見て歯肉をこすらない ③動かし方は小刻み過ぎずに です。
仕上げ磨きは、歯がはえ始めた時から、6歳臼歯(6歳くらいに奥から生えてくる大人の歯)が生え揃うくらいまでが、仕上げみがきの期間だそうです。その間に、歯みがきを生活習慣としていき、3歳頃から徐々に本人の歯磨き練習を行い、自分で歯を大切にする気持ちを育んでいきましょう。
当院では、お子様の歯を守りたい親御さまに向けた、仕上げみがきレッスンやお子様向けの歯磨き指導も行っております。少しでも不安がある方や、磨き方の確認をされたい方は、ご自身の検診の際でも、お話伺いますのでぜひご相談ください。
仕上げ磨きを楽しむ
仕上げ磨きが大切だと言っても、お子様の機嫌や成長によるイヤイヤ期など、いつも同じようにいかないことが当たり前で、難しい点ですよね。簡単に終わらせるしかなかったり、全く磨けない時もあったり、歯の状態が心配になることもありますよね。
当院には保育園での歯科指導を行っている衛生士も在籍しております。できる限り、お子様が仕上げ磨きの時間に苦手意識を持ってしまわず、楽しく何気なく過ごせる時間となるよう、手遊びやスキンシップで楽しい雰囲気作りや痛くさせない磨き方などアドバイスさせて頂きます♪
3歳までは、食生活で歯を守る
味覚は、3歳頃までに形成されていきます。お野菜の「苦味」や、ほのかな「甘味」。果物の自然な「酸味」。離乳食の薄い「塩味」や、出汁の豊かな「うま味」の、「5つの味覚」の体験が、子どもの味覚を広げていきます。ですが、この大事な時期に味覚形成を邪魔してしまうものがあります。それが、砂糖です。
ジュースやお菓子、嗜好品などに含まれる砂糖を多く摂りすぎてしまうことで味覚をマヒさせてしまうのです。味付けの濃い食事も、同様です。お菓子好きや野菜嫌いなど、その後の好き嫌いの激しさにも関わってきます。食事が偏ってしまうとお口の健康を保つことも難しくなります。虫歯菌が好む砂糖を多く摂りすぎてしまうことや、歯を溶かしやすい酸が、苦手な物を吐き戻すクセがついてしまうことでお口に溜まりやすくなってしまう、なんてことは避けたいものです。
当院には管理栄養士も在籍しておりますので、一緒に五感の一つである味覚を大切に育てていき、お子さまの豊かな感覚を広げていきましょう。
かかりつけの歯科があることで安心できること
毎日が初めてで溢れ、全力で遊び、挑戦を続ける子どもたちには、ケガが付き物ですよね。私は保育士時代に様々なお口のケガも目にしてきました。転んで机や玩具に唇をぶつけてしまった、ベッドから落ちて舌を噛んでしまった、鉄棒に挑戦して前歯を思い切り打ってしまった、など様々です。お口の出血は勢いがあり唾液に混ざってなかなか止まらず、泣いているお子様を前に慌ててしまいがちです。保護者の方がどうしたら良いか分からず、保育園へ連絡が来ることもありましたが、そんな時の受診先は歯科医院です。傷口の状態や歯が揺れたり動いてしまっていないかなど、歯科医院で確認しますが、傷口の応急処置ができても、元のお口の状態を知らずに歯や歯肉(上唇小帯など)の診断をすることは難しくなってしまいます。普段からかかりつけの歯科医院があることでお口のケガがあった時に、元の状態と比較することができ安心です。
また、保育園や学校で歯科検診を行っている歯科医院以外で、かかりつけの医院を持つことで、集団検診では見つからなかった虫歯や歯肉炎、噛み合わせの問題などが分かる場合もあります。(当院では矯正歯科専門医の診療日もありますので嚙み合わせが心配な方もご相談ください。)小児歯科探しでお悩みの方は、以前更新しました『お子様のもおすすめしたい歯科医院』で、当院の特徴をご紹介しておりますので、ぜひチェックしてみてください♪
お子様の「おいしい♪」を守るために
小さな子が「おいしい♪」と食事する姿はとても愛らしく癒される姿ですよね。そんな幸せな姿をずっと守っていく為にも、そして辛い治療を受けることになってしまう前に、早めの受診をしてみませんか?スタッフ一同お待ちしております(^-^)